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英国ナンバー1のスタジアムへ!トッテナム新スタジアムのすごさとは?

今、イギリスで一番のスタジアムと言っても過言ではない!

2019年4月にトッテナムホットスパーズFCが、ついに新本拠地として使用し始めた “トッテナムホットスパースタジアム”のその全容について現地からお届けします!

さて、まずは簡単にスタジアム概要を!

ホットスパースタジアムの建設費用は?

約 10億ポンド(約1430億円)
ひとつのクラブがここまでの資金を捻出できることも驚きですが、
イメージとするとなると一クラブが
国立競技場を自ら資金を集めて建設しきったという感じです。
ちなみにガンバ大阪の吹田スタジアムは140億円なので10倍もかけております。

建設費約10億ポンドの出資元はどこからでしょうか?

出資元会社はバンク・オブ・アメリカ・メルルリンチ、ゴールドマンサックス、HBSC。

スタジアムができる事によってのどの様な利益が生み出されるのか?

経済的利益をもたらすことはもちろんですが、イギリス国内ではスタジアム建設による社会的価値について議論されております。

トッテナムホットスパースタジアムが位置する地域はロンドン内でも、経済的に貧困エリアです。

トッテナムは建設期間中にスタジアム地域に年間約2億9300万ポンド(約418億円)を投資並びに3500もの仕事を作り出したと発表しています。

雇用を生み出し、さらに建設期間中には70社がスタジアム地域にビジネス展開をし始めました。街がスタジアムによって、生まれ変わっているのは本当に感じ取ることができます。以前の街の風景が一変し明るくなっております。

また今後は毎年250万人がスタジアムを訪れると予想されています。

250万人が一つに駅に集まること。フットボールクラブが地域コミュニティにどのような影響を与え、さらにトッテナム自身のブランド価値を向上させられるかは非常に注目を浴びています。

ロンドン市内の他のチームのスタジアム建設費用と比較

エミレーツスタジアム建設費用 3億9000万ポンド (約550億円)
ウェンブリースタジアム建設費用 7億9800万ポンド (約1140億円)
ロンドンスタジアム建設費用 4億8600万ポンド (約694億円)*£1=143円

ちなみに日本の埼玉スタジアム2002の建設費用は約356億円なので4つも建設することが出来ます!

これらのスタジアムを比べてもトッテナムホットスパースタジアムにどれだけの費用が費やされているのかがわかります。

スタジアムの収容人数は?

6万2062人、これは新スタジアム建設中に使用していたウェンブリースタジアムの9万人に比べると約3万人少ないですがピッチまでの距離が近くなったと感じました。ちなみにエミレーツスタジアムは6万432人、スタンフォードブリッジは4万1837人です。

建設にあたってのリスクは??

約1430億円を投じたスタジアムなのでトッテナムは当然建設費用回収をこれから行っていかなければなりません。費用を回収するにあたって2つのリスクがあります。

1つ目はチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグなど主要国際大会に出場し続ける事です。2017/2018シーズはトッテナムがチャンピオンズリーグに出場したこともあり臨時収入で5400万ポンド(77億2200万円)を得ました。この収入があればスタジアム建設費用に充てることが出来ますが仮に主要国際大会に出場できなくなると費用回収に問題が生じます。

2つ目は選手の選手年俸です。

これまではオーナーの努力により年俸費用を抑えることが出来ましたが、現代サッカービジネスでは選手年俸の高騰が問題となっています。2017/18 トッテナム総年俸は1億4760万ポンド(210億680万円)を要しました。

他のクラブではアーセナルが2億2200万ポンド(317億4600万円)、マンチェスターユナイテッドが3億ポンド(429億円)。これらのクラブと比べてもいかにトッテナムの総年俸が低く抑えられていることがわかります。

次にスタジアムの特徴について

NFL と共同スタジアム? サッカーだけじゃないスタジアム?

1つ目は、イギリスのサッカースタジアムでは初めて2つのスポーツ、アメリカンフットボールとフットボール(サッカー)を同じスタジアムで行えるシステムが導入されています。トッテナムホットスパーズFCがNFLと10年間の契約をしたのでこの様な仕組みのスタジアムが誕生しました。

日本では札幌ドームが野球とサッカーが共有するシステムが導入されていますね。下記の動画ではどの様にスタジアムのフィールドが変化するのか説明しています。

新型オフィシャルショップ

2つ目は、新スタジムの隣に新設された施設”トッテナムエクスピリエンス” です。なんと施設に入場するためには写真の様にセキュリティーチェックが必要になります。オフィシャルショップでは珍しいです。

この施設では、トッテナムホットスパーズのグッズが買えたり1つ目に述べたNFLのグッズが買えたりします。

また、施設内にはファンを飽きさせない工夫として大きなスクリーンにトッテナムの選手が遊んでいる風景や試合のハイライトが流れたりしています。

また写真の一番上の座席にはコンセントが付いており携帯電話などの充電ができます。

滞在時間が伸びると、観客の消費するお金が増えるというデータを見事に活用しておりますね。

さらにこの施設には博物館が併設されていたりスタジアムツアーの玄関口になっています。(残念ながら博物館やツアーに関しては取材時にはまだ開催されていませんでした。2019年7月にはツアーが開始しております)

スタジアムの屋上を歩ける??

今後展開されるスタジアムツアーの目玉はスカイフォーク。写真の黒い丸で示したチームのエンブレムの所を歩くことができます。高さにして約40メートルから試合前のピッチを見学することが出来ます。

オフィシャルサイトからの写真ではこの様に見えます。

スタジアムツアーや博物館の開始時などはオフィシャルサイトで必要事項を記入した後メールにてお知らせが来るので詳しく知りたい方は確認してみてください。

スタジアムの位置は?

住所: B/N Way 748 High Road Tottenham London N17 0AP

スタジアムはロンドン市内から北に位置しています。

スタジアムへのアクセス方法は?

ロンドン市内からスタジアムにアクセスする方法としては主に2つ方法があります。

・ロンドンオーバーグラウンドでリバプールストリート駅からスタジアムの最寄駅のホワイトハートレーン駅下車 でスタジアムまで向かう方法(所要時間約30分)

・地下鉄でビクトリアラインのビクトリア駅からセブンシスターズ駅まで行きそこから徒歩またはバス279でビスターロードシスターズ駅からスタジアムに向かう方法があります。(地下鉄約20分+徒歩約30分又はバス約15分)

2つのルートを挙げた理由として、ロンドンオーバーグラウンドに乗車できる人数が地下鉄より少ないため試合後は当然の如く駅が混むため何度か待たないと行けません。筆者は最寄りのホワイトハートレーン駅で3回オーバーグランドを飛ばしました!時間にして約20分でした。

スタジアムに到着すると写真の様な景色が見えてきます。

スタジアム周辺はトッテナムホットスパーズFCが以前本拠地にしていたウェンブリースタジアムに比べるとパブやレストランなどが多くあり、ファンは試合前にそれらの場所で時間を過ごしていました。

スタジアム内でのオススメは?

トッテナムがなぜこれだけの費用をかけてスタジアムを建設した大きな理由としてはスタジアムへの滞留時間を延ばし観客の購買意欲を上昇させる研究論文がありスタジアムの環境づくりがどの様に観客へ影響を及ぼすかKirk Walkfield氏の1995年に発表した論文” The Effects of Team Loyalty and Selevted Stadium Factors on Spectator Attendace”により述べられています。

筆者がこのスタジアム内で驚いた点は、なんとスポーツバーにある様なバーが併設されています。

さらに観戦した試合では音楽バンドが演奏をしていました。毎試合演奏しているかわかりませんが、試合後に音楽を聴きながら余韻に浸るという経験も新鮮で面白かったです。

このバーと演奏は西側5階席にあります。

さてココからは筆者では、入ることが出来ないVIPラウンジについてオフィシャルサイトの写真を使い紹介します。

VIPのラウンジは4つの種類があり価格は手軽なパッケージのプレミアムシーツからプレミアムラウンジ、プレミアムロッジ、プレミアムスーツとあります。

プレミアムシーツ
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プレミアムラウンジ

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プレミアムロッジ

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プレミアムスーツ
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オフィシャルサイトとでは4つの種類の中でプレミアムシーツについては価格が出ており126ポンド (約1万8千円[£1=143円]) から予約ができます。さらにミシュランでも星を獲得したシェフが提供するレストラン “オンフォー”が4階には併設されています。各ルームではオンフォーのシェフが料理を提供します。

詳しい情報はオフィシャルページ

観戦したCLの試合についてですがご存知の通りアヤックスが1対0で勝ちました!第二戦では奇跡の逆転劇が繰り広げられます。

試合前には珍しい経験をしました。なんとアヤックスファンとトッテナムファンの乱闘に遭遇してしましました。テレビでは見たことがありましたが生は怖かったです。

さて、開業したばかりのトッテナムホットスパースタジアムはこれからのフットボール観戦にどの様な新しい影響を与えてくれるのでしょうか?

 

■詳細

参加費: 無料

運営者:
Football Samurai Academy Limited
Park Lodge, North Acton Playing Fields, London, W3 0JF
イギリスに本社がある会社です。
10年以上に渡り、これまでに200名ほどの留学生をサポートしてきました。

お申込み方法

Football@UKお問い合わせ メールアドレス ttakeyama@japanatuk.com まで、件名を「イギリスサッカー留学説明会 or トライアル参加希望」とご記載頂いた上で、下記の必要事項をご記入頂きお申込みください。

【氏名】

【性別】

【年齢】

【住所】

【お電話番号】

【参加ご希望場所と時間】

【留学時期・内容】

【サッカー経験】

【その他ご質問/ご要望】

※各地とも、申込先着順で定員になり次第締め切らせて頂きます。

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『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜6部 スラウタウン FC編〜』

「日本国内にJ3の基準を満たすスタジアムをつくりたいんだよね」

2019年3月までイギリスの下部リーグでプレーを続けるボビさんこと、カレン・ロバートさんのそんな言葉から始まったこの企画!

J3基準を満たすサッカースタジアムづくりを目指し、英国内の5000〜10000人規模のスタジアムを取材します。

第1回目はこちら
『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜BARNET FC編〜』
第2回目はこちら
『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜SUTTON UNITED 編〜』

具体的なテーマは、、、

  • スタジアムって試合のない日はどのように使われている?
  • クラブがスタジアムや施設を保有しているのであれば、どうやって収入を得て運営されているの?
  • スタジアムの中身みせてください!
  • クラブの特徴というか、こだわりを見つける           

第3回は英国ヒースロー空港近くのスラウタウン FCです。
今回はクラブ関係者の三名の方々にお話を伺いました。

レオ・マスードさん(スアジアムマネージャー)
スタジアム案内:ローザさん(施設マネージャー)
スラウタウンについて:ケイ・レイジーさん(クラブセクレタリー)

今回の登場人物

カレンロバート: 
千葉県1部 ローヴァーズ木更津FC 代表
http://rovers.co.jp/             

中村モネ:ライター
サウサンプトン大学でフットボール学専攻中
http://footballatuk.com/archives/2223

キヨ:撮影者(ワーホリ中)
プレミアリーグのサッカー観戦チケットのことならばお任せください。
https://ticket-on-demand.com/

スラウタウンFCとは?

今回ご紹介するスラウタウンFCは、National League Southという6部相当のリーグに所属しており、Arbour Park Community Stadiumをホームとしています。

特徴としては、クラブが所有するスタジアムではなく市の持ち物であくまでも市民のために建てられた施設を使用しているところです。



スタジアム建設費もクラブからは出資しておらず、市議会がほとんど全て(£10million=約14億円)負担したそう。

そのため今回は市議会のスタジアム担当であるレオさんに、主にスタジアムのことを詳しくお話ししていただきました。

また、偶然スタジアムに来ていたClub Secretaryのケイさんにも少しだけお話を伺うことができました。スタジアムは一般に毎日開放されているものなので、どのようにどの設備を使うかは、許可が下りれば使う人の自由だそう。

試合のない日の使われ方

従って試合のない日には他のスタジアムと同様、Club Roomという多目的ホールがパーティーや結婚式に使われたり、ピッチや施設が市民の人々によって催し物用に貸し切られていたり、市議会自体が会議や食事会に使用することもあるそうです。スタジアム2階のClub Roomはスタジアムを見渡せるようガラス張りになっていて、外にはテラスもありました。天気のいい日はここを使う人が多いそうです。

主な収入源

スタジアムの主な収入は、スラウタウンFCからの利用料だと言います。その次は、同じくこのスタジアムをホームにしているチームと、St Joseph Academyという地元の高校からの収入だそうです。

その他は、毎日どこかしらの部屋が地元の人々によって使われているそうです。私たちがお邪魔した日も、1つの部屋が教室として使われていました。

市議会とクラブ

では、市議会(Slough Town Council)はスラウタウンFCが当施設をホームスタジアムとして利用するにあたって何か要求していることはあるのでしょうか?という質問を投げかけてみると、試合ごとにいくつか書類の提出を要求しているという答えが返ってきました。

内容としては、観客は何人くらい来場予定なのか、安全面はどのように考慮、対策をとるのか。そして、試合後のレポートとフィードバックも大切にしているそうです。ちなみに、スラウタウンのホームゲームは2000人収容、300席に対して毎試合平均800〜1600人ほど来場するそうです。

スタジアム設備

スタジアム内の案内と設備の解説はFacility Managerのローザさんが担当してくださいました!

ロッカールームはホームチーム用、アウェイチーム用、そして審判団用が2つ。審判団のロッカールームには選手たちにピッチへ出て行くよう促すベルのボタンが設置されていました。

メディカルルームにはベッドやマッサージ台があります。部屋の名前はKevin McGoldrick Room。今年1月18日に亡くなったチームのフィジオを務めていた元サッカー選手の名前をつけたそうです。しかしこのメディカルルームもクラブの持ち物ではないのでスラウタウンの私物はその都度持ち運びだそうです。

2階の多目的室の横にはキッチンとバーがあり、ここも一般に開放しています。シーズンチケット所有者やスポンサー、クラブ関係者がランチを食べる会がたまに開催されるそうです。

しかし、クラブの所有ではないのでピッチ周りのフェンスによく見られるクラブスポンサーの看板はありません。試合開催日に持ち出して貼り出し、試合終了後に取り外しできるようになっていました。

最後にスタジアムの特徴をお聞きすると、所々近代的な設備を取り入れているところだとおっしゃっていました。例えば、ピッチ周りにCCTVが取り付けてあったり、電光掲示板がスマホアプリと連動できるようになっていたり、エレベーターに最先端の機能がついていたり(これは本当に必要なのか疑問でしたが。笑)

スタジアムのユニークポイント

何と言ってもフットボールクラブが所有しているのではなく、市営であること。英国ではクラブが施設を自前で持つのが主流の中で、市民利用をメインにおきながら建設されたことは非常にユニークな点であります。

完成が2016年と比較的新しいのでデザインや構成が現代のニーズにあったものであったと思います。

ボビさん、日本へ!

ボビさんは、3月を持って日本に一度帰国し木更津ローヴァーズのオーナーとして活動されます。ALL THE BEST BOBBY!ありがとうございました。

英国の小さなスタジアムを巡る本シリーズは多方面から好評をいただいているので形を変えながらも継続予定です。乞うご期待くださいませ!

 


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その他のイギリスコーチング留学や選手留学の日記はこちら!

1【イギリス短期留学】大学生が選ぶロンドンですべきこと10選

2【イギリスコーチ長期留学】 1ヶ月目 「プレミア優勝後のレスター岡崎選手と対話!」

3【イギリス短期留学】大学3年生イギリス1ヶ月短期選手留学:「もう一度、本気でサッカーをしてみたかった」PART1

4【イギリス短期留学】高校生が海外イギリスサッカー選手留学3週間で感じた差とは?

5【イギリス短期留学】日本の高校生がイギリス留学5週間で指導者資格を取得するまで

 

 

『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜5部 Sutton United FC編〜』

「日本国内にJ3の基準を満たすスタジアムをつくりたいんだよね」

現在イギリスの下部リーグでプレーを続けるボビさんこと、カレン・ロバートさんのそんな言葉から始まったこの企画!

J3基準を満たすサッカースタジアムづくりを目指し、英国内の5000〜10000人規模のスタジアムを取材します。

第1回目はこちら
『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜BARNET FC編〜』

具体的なテーマは、、、

  • スタジアムって試合のない日はどのように使われている?
  • クラブがスタジアムや施設を保有しているのであれば、どうやって収入を得て運営されているの?
  • スタジアムの中身みせてください!
  • クラブの特徴というか、こだわりを見つける           

第2回は英国ロンドン南部に位置しますSutton United FC。
チェアマン兼執行役員のデイブ・フェアブラザー氏にお話を伺いました!

サットン?どこかで聞いたことあるぞという方がいるかもしれません!

実は、2シーズン前のFA CUP 5回戦でアーセナルと対戦したんですね。ジャイアントキリングを数回成し遂げた上に、プレミアと対戦しイギリス国内外でも話題になりました。

5部以下のチームが勝ち残ると、プレミアリーグとの戦力面、資金面、施設面での圧倒的な差をどのように対抗するのか?という点が注目されます。ちなみに、テレビ放映権やチケット収入などが数億円入ってくる可能性もあるので、下部リーグにとっては非常に夢があるFA CUPです。

今回の登場人物

カレンロバート: 
現在英国下部リーグでプレー中 千葉県1部 ローヴァーズ木更津FC 代表
http://rovers.co.jp/             

中村モネ:記者
サウサンプトン大学でフットボール学専攻中
http://footballatuk.com/archives/2223

キヨ:撮影者(ワーホリ中)
プレミアリーグのサッカー観戦チケットのことならばお任せください。
https://ticket-on-demand.com/

サットンユナイテッドFCとは?
サットンユナイテッドFCは第1回目でご紹介したバーネットFCと同じ5部相当のNational League に所属しており、本拠地であるKnights Community Stadiumはおよそ5000人入場可能のスタジアムです。

今回は、スタジアム視察の前にウォータールー駅近くのオフィスにてチェアマン兼執行役員のデイブさんが質問に答えてくれました。

サットンのスタジアムのこだわりは、その時に支出できるお金の範囲でとにかく少しずつの改修をしていくことだと言います。

もともとは陸上競技場だった?
もともと陸上競技場も兼ねていたスタジアムなので、まずはピッチ周りのトラック部分のスペースを詰めて客席を近付けました。特にゴール裏はピッチとの距離が近く、臨場感があるそうです。

これからの改築プランとしては、障害者用設備が少ないので増やしたりこれまでの工事で掘り起こした土の埋立地を教育施設建設のスペースとして使ったり、近隣とのトラブルを招きがちなナイター設備の調整をおこなっていくそうです。


イギリス下部リーグらしいスタンドを新設

  試合のない日はどのように使われている?

試合のない日はピッチや施設の貸し出しをしたり、スタジアム内のミュージックバーの営業をしたりしているそうです。

サットンのピッチは3G(人工芝)で使用用途が豊富なので、トップやアカデミーチームの他にも女子チーム、障害者チーム、ウォーキングフットボールのチームを設けて皆同じピッチを使って練習しているそうです。

多い時は週5回、朝9時から夜21時まで使用するのだとか。時にはトップチームとアカデミーチームの練習時間がかぶって同じ時間に練習することもあるそうです。子供達のモチベーションは確実に上がりますね!

ピッチ施設使用の売り上げは、年間2500万円ほど。ミュージッククラブ、バーなどの売り上げは年間2000万円。スポンサーは一口80万円で、地元企業や教育関連のパートナーを増やしている。

施設の貸し出しは主に多目的室をディナーやパーティーに使ったり、会議室を一般向けに開放したり教室としてセミナーなどに貸し出ししたりしているそうです。

ミュージックバーはサットンファンの間で人気が高く、過去にはThe ZombiesやThe Animalsなどの有名バンドが演奏したこともあります。そして珍しい使い方が、サットンでは学生インターンを受け入れているそうです

ということは、これらがクラブとしての主な収入源なのでしょうか?
その他にもしっかりとやっておりました!
試合日以外の駐車場運営、提携している学校やスポーツビジネス専攻の学校運営(B-TEC)
教育にも力を入れています。

クラブはどのように収入を得ているの?
自ずと収入はピッチの利用料や施設貸し出しから賄われていきます。

もちろんアカデミーの運営も。
U9からあるアカデミーからの収入、FAからの出資、スポンサーや地元企業、学校などのパブリックパートナーからも協賛金を受けているそうです。

スポンサーには土曜の試合日にBoardroomで無料ランチを提供したりマッチデーオウログラムに名前を記載したり、各スタンドやエリアなど出資する設備を分けて設定して、それぞれに命名権を与えたりしているそうです。

その他にも、シーズンチケットからの収入が画期的だったと言います。

もともと£300に設定していた値段を£75に減額すると購入者が3倍になり、利益はそれまでよりも倍増したそうです。現在は£159に設定されていますが、子供は£10〜20と低価格(年間)の設定になっています。

クラブの特徴は?

サットンの特徴は、なんといっても3Gピッチ(人工芝)であること。League2に昇格することになったら天然芝ピッチに改修しなければなりませんが、今のところあまり心配している様子は見られませんでした。笑 まだ上がらなそうです。

そしてデイヴさん曰く、サットンとそのスタジアムは5部の割に知名度が高いそうです。それもそのはずです。冒頭でも述べましたが、サットンは2シーズン前にFAカップでアーセナルとホームで闘っています。

対戦にあたってSONY Records勤務のClub Secretaryの娘さんにマーケティングを手伝ってもらい、バンドとのコラボなどで宣伝活動に力を入れました。その甲斐あってか各国から問い合わせが殺到したそうです。

最後に筆者が個人的に感じたのは、教育熱心なクラブだということです。

空いた土地には教育施設を建てたり、インターン生を受け入れたり、アカデミーの生徒にトップチームを間近で見られる環境を作ってモチベーションを高めたりなど、若者を育てることに非常に力を入れています。

次はどこのスタジアムにお邪魔できるでしょうか?

また違った雰囲気を感じることができるのが楽しみです。


乞うご期待!

 


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その他のイギリスコーチング留学や選手留学の日記はこちら!

1【イギリス短期留学】大学生が選ぶロンドンですべきこと10選

2【イギリスコーチ長期留学】 1ヶ月目 「プレミア優勝後のレスター岡崎選手と対話!」

3【イギリス短期留学】大学3年生イギリス1ヶ月短期選手留学:「もう一度、本気でサッカーをしてみたかった」PART1

4【イギリス短期留学】高校生が海外イギリスサッカー選手留学3週間で感じた差とは?

5【イギリス短期留学】日本の高校生がイギリス留学5週間で指導者資格を取得するまで

 

 

『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜Barnet FC編〜』

「日本国内にJ3の基準を満たすスタジアムをつくりたいんだよね」
現在イギリス7部レザーヘッドでプレーしているボビさんこと、カレン・ロバートさんのそんな言葉から始まったこの企画!

J3基準を満たすサッカースタジアムづくりを目指し、5000〜10000人規模のスタジアムを回ります。

具体的なテーマはといいますと、、、

  • スタジアムって試合のない日はどのように使われている?
  • クラブが保有しているのであれば、どうやって収入を得ているの?
  • スタジアムの中身みせてください!
  • クラブの特徴というか、こだわりを見つける
               

そして記念すべき第1回目は英国ロンドン北西部にあるBarnet FCのホーム、The Hive Stadiumにお邪魔し、Club Secretaryのジョン マイヤー氏にお話を伺いました!

登場人物

カレンロバート: 
現在英国7部レザーヘッド所属、千葉県1部 ローヴァーズFC 代表
http://rovers.co.jp/             

中村モネ:記者
サウサンプトン大学でフットボール学専攻中
http://footballatuk.com/archives/2223

キヨ:撮影者(ワーホリ中)
プレミアリーグのサッカー観戦チケットのことならばお任せください。
https://ticket-on-demand.com/

バーネットFCとは?

現在バーネットFCはイングランド5部相当のNational Leagueに所属しています。その本拠地であるThe Hive Stadiumはおよそ6200人入場可能のスタジアムで、最寄り駅のCanons Parkから入場ゲートまでは徒歩10分、敷地内だったら5分と駅チカ。

完成は2013年と比較的新しく、もともとは練習場として建設予定だったものを途中で試合用スタジアムにシフトしたので各スタンドの雰囲気が全然違います。

新しく改修されたスタンドは2016年に完成しました。障害者専用席は現在84席あり、VIPの観戦スペースは最近できたばかりなのだとか。

Club Secretaryの かっこいいジョンさん

1 試合のない日はどのように使われている?

 まず気になる試合のない日の使い方を聞いてみると、主にピッチや施設のレンタル、撮影などに使われているそうです。

主な施設の使い道は、Banquet Roomと呼ばれる屋内イベント会場を結婚式や誕生日パーティ、会議のために貸切でレンタルしています。

撮影はプロモーション映像などの撮影が多いらしく、マンチェスター・シティのガブリエル・ジェズス選手やトッテナムのソン・フンミン選手も使用されたとか。



ということは、これらがクラブとしての主な収入源なのでしょうか?

少しつっこんで聞いてみると、1番大きな収入源はSky TVからの放映権に関する収益でした。イングランドではプレミアリーグだけでなく2部から5部の試合も放送されているので納得です。

もう1つはアカデミーからの収入です。バーネットではU8からU18のアカデミーを設けており各130人ほどの選手が在籍しているそうです。そこに対するEFLやFAからの助成金(アカデミーのランク分けがされています)が大きいと言います。

スタジアム外には、練習場(人工芝2面)が10面以上存在しています。

2 スタジアムはどうやって収入を得ているの?

しかしその他の収入は全てスタジアム内で賄われています。

ピッチのレンタルの他にも施設全体を合宿場として貸したりもしているそうで、ドイツやスペイン代表などの強豪も利用したことがあるそうです。

クラブハウスの2階にはジムがあり、選手の他にも600人の地元の方々がメンバーとなり利用しているそうです。

スタジアムの中身みせてください!

そしてこのスタジアムのユニークポイントは、メディカルセンターがスタジアム内に設置されているところです。

マンチェスターユナイテッドは練習場にメディカルセンターを設けていますが、スタジアム内にあるのはバーネットだけだそうです。

チケットの値段も大人£10、子供は£1と低く設定してあり、家族連れで来やすいスタジアムを目指して他よりも少し安くしてあるところがユニークポイントだとおっしゃっていました。

4 クラブの特徴は?


今回The Hive Stadiumを訪問して感じたのは、スタジアム内にジムやカフェがあるからか、クラブの人だけでなく地元の人々も自由に出入りしていて地域の憩いの場にもなっているのかな、ということでした。

初めてのスタジアム訪問、初回からなかなか独特な雰囲気を味わうことができました。

次はどこのスタジアムにお邪魔できるでしょうか?

また違った雰囲気を感じることができるのが楽しみです。


乞うご期待!

 

【スタジアム特集】小さなスタジアムが示す大きな存在感、地域密着スポーツの最先端とは

未来を見据えたイギリスのスタジアム

ガンバ大阪が昨年サッカー専用スタジアムを完成させ、日本サッカー界にも専用スタジアムの誕生を望む声が全国各地から聞こえてきている。

Jリーグを制覇した広島など、サッカー専用スタジアム建設への機運は高まっているが、実現には幾つも壁を乗り越えなければならないだろう。

サッカーの母国イギリスには、フットボール専用の国立競技場ウェンブリースタジアムをはじめ、世界的に有名なサッカー専用スタジアムが数多く存在している。そして、名もなき地方の小さなクラブにおいても、自前かつ独創的なスタジアムを所有していることが、イングランドのフットボール文化の懐の深さの証でもあろう。

今回の記事では、イングランドのノンリーグ(セミプロ)でGKとしてプレー経験がある玉井リョウ氏(日本帰国後、現在は広島県の廿日市FCでプレー中)が、イングランドのとある地方クラブの最先端スタジアムを訪れたときのレポートを紹介したい。

リョウさんがワーホリの期間である二年間で実際に体験したフットボールの下部リーグをまとめた記事は下記のリンクから。(全3回)

第1回はこちら(ガムシャラに挑んだチーム探し)
第2回はこちら(イギリスと日本サッカーの違い)
第3回はこちら(どれくらいの英語力?) 

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カンファレンスナショナルという5部のリーグに所属しているクラブになぜわざわざ足を運んだか?

こんにちは。
ぼくは2年間のワーキングホリデーでイギリス滞在を終えたあと、現在広島県にある廿日市FCというクラブでプレーを続けています。

イギリスから日本に戻ってきて一番痛感していることは、クラブが街に根付いていく上で自前のスタジアム(グラウンド)を持つということが、クラブを支える上で非常に大きなアドバンテージとなるということです。

しかしながら、現状は日本の町クラブが自前のグラウンドを持つということは非常に難しいことで、実際Jクラブを見てみるとスタジアムを所有しているのはガンバ大阪、ジュビロ磐田と柏レイソルなど数クラブのみです。

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小さなクラブの小さなスタジアムにおける発見

一方でイングランドでは、トップのプレミアリーグから5部のようなノンリーグ(セミプロ)、さらにはそれより下部のクラブが自前のスタジアムを持つということは当たり前であり、古くから根付くフットボール文化によって生まれる日本との差を一番感じる部分でもあります。

そこに住む地域の人々が、自分たちのクラブをより身近に感じてもらうためにはどのようなスタジアムが実際に存在するのだろうか?そして、そこからヒントを得られればと、短いロンドンでの里帰りでダートフォードFCのスタジアムに足を運ぶことにしました。

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スタジアム名 :Princes Park
クラブ名           :Dartford FC(Kent)
所属リーグ      :Conference National Premier (5部)

規模は4000人だが、先を走るスタジアム

ロンドン郊外に位置するダートフォードFCのスタジアムの収容人数はわずか4,000人ですが、『Sutainability』(サステイナビリティー)という意味で国内外からたいへん注目されているスタジアムのひとつです。

サステイナビリティーとは、『持続可能性』という意味で、環境・経済・社会等の観点からその物事を持続可能にしていく取り組みのことを言います。ロンドン五輪の開催時にもメディアに大きく取り上げられたテーマのひとつです。

ワールドカップやオリンピックのために大きなスタジアムを建設するが、大会終了後にはその多すぎる収容人数や交通アクセスの不便さ等で全く使われることが無くなり、むしろ大きな施設を維持していくだけでコストが掛かってしまうという負の遺産になるケースは、北京五輪、シドニー五輪会場でもみられています。

Soccer - Isthmian League Division One North - Dartford FC - Princes Park

環境に特化した独自のスタジアムを作り上げる

見栄をはるのではなく身の丈にあったもの、「持続可能」を目指し建設されたスタジアムがこのPrinces Park Stadium。

スタジアムを覆う屋根に降る雨水はスタジアム内の水道水に利用され、一部分にはソーラーパネルが設置されており、ロッカールームの暖房やピッチ下に埋め込まれたヒーター、そしてナイター照明の電力にも充てられています。

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見学しに行った時期は、屋根の工事をしていて、話を聞くと屋根の上全体に草木を植えようとしているとのこと。

屋根の上に生い茂る草木は防音と断熱の役割を果たし、自然豊かな周囲の景観を損なわないように配慮されています。

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またスタジアム周囲を囲む壁の大部分は木材でできており、温かみある外観となっています。

ピッチ部分は周囲の土地より掘り下げられていて、その分夜間照明のライトの高さも低くなり周辺住宅に対する光害を軽減させています。客席と比べると異様に背の高い外壁も光害対策で、ロンドンの冬の冷たく吹く風からも観客を守っています。

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木とレンガ、石でできた外観

Soccer - Isthmian League Division One North - Dartford FC - Princes Park

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スタジアム外

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下の写真は、いろいろと説明をしてくれたおじさん。

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アポも何も取らずスタジアムに足を運び、エントランスに行くと受付のおばちゃんたちは、日本人2人組を少々警戒。

おばちゃんたちに「このスタジアムを見るためにはるばる日本から来た!」と熱意を伝えると、渋っているおばちゃんたちを見ていたおじさんが「見せてやるよ」と中に案内してくれました。

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ロッカールームとプレスルームは鍵がかかっていて入れませんでしたが、それ以外のスタジアム全体を案内してくれました。

ただこのおっさん、色々な話を聞いても全部答えてくれるので、誰ですかと尋ねるとなんと『Chairman(会長)』!

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非常に気さくで、オープンに何でも話してくれる会長に連れられスタジアムに併設されているバーに行き、ビールを飲みながらゆっくり話をすることができました。

何かクラブのグッズを買いたいと聞いたら、今はないからこれ持って行けとマッチプログラムをくれました!

通常は£2.5(約¥450)で販売されてます。

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その後もバーでビールを飲んでると……いきなりユニフォームを放り投げてきて、青と黄色のユニフォームをぼくたちにプレゼントしてくれました!

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クラブハウスにあるグッズを探してくれたバーのおばちゃんや、いきなりの訪問に笑顔でスタジアムを案内してくれた会長など、日本人がクラブに興味を持ってスタジアムに来てくれたことを、門前払いするのではなくて、素直に喜んで対応してくれたことに非常に感動しました。

会長、ありがとうござました!

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その勢いで入団会見を!(無理でした。)

地域リーグのクラブが自前のスタジアムを作ること

日本で言えば、地域リーグや都道府県リーグ所属クラブがこのようなスタジアムを所有し、運営していることになります。日本のサッカー界でも文化の裾野を広げる意味でも、欠かすことができない小さなスタジアム運営です。

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ちなみに、スタジアムの建設費は約7百万ポンド、日本円でおよそ13億円。自然保護や環境に関わる様々な団体からの支援を受けているスタジアムですが、やはり地方自治体からの融資も少なくはなかったようです。

試合の日はチケットホルダーに対して格安のシャトルバスを約10キロ離れた隣町のGravesend(グレーブセンド)駅から運行されたり、スタジアム前の公道にあるバス停が整備されたりと、スタジアムができるにあたってその周辺や街をひっくるめて環境を変えていくためにはやっぱり自治体の支援は不可欠かもしれません。

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日本でもスポーツやサッカーがもたらす素晴らしさの多様性がでてきて、小さなスタジアムの魅力がもっともっと浸透していけば、サッカー文化の発展に繋がると信じています。

Soccer - Isthmian League Division One North - Dartford FC - Princes Park

一度足を運んだら一目ぼれ間違いないです。

スタンドとピッチのレベルが同じで、選手と同じ目線で観戦でき、手を伸ばせば選手に触れられそうな距離です。ヤジもため息も心のこもった声援も全て選手に届きます。

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現在Dartford FCに所属している選手の中でプロ契約はたったの3名。それ以外の選手は日中に働き夜にトレーニングや試合をこなしています。

そのような選手でも4000人で埋め尽くされたこのスタジアムの最前列の柵の向こう側、ピッチに立てば街の人々にとってイングランド代表よりも価値のある選手へと変貌します。このPrinces Park Stadiumはそれだけの力を持っていると僕は思います。

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今度行くときはMatch Dayにしようかな!玉井リョウ

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編集後記

リョウさんがロンドンに戻ってくると聞いて久しぶりに会いました。日本でプレーしている広島のクラブのことなど話す中でスタジアムに興味があるということなので、ダートフォードを勧めると、次の日には友人と向かっていました。

そして、会長にスタジアムを案内してもらうというVIP待遇。運と言ってしまえば運がいい話のようですが、自分の脚を使って、「あなたのクラブを見る為にここまで来た」という情熱は、ときによっては、相手の心を動かすときがあるかもしれません。事前にアポとった方がいいですが、こういう旅も時々ありではないでしょうか。

海外で学んだことを日本サッカーに還元することは、そんな簡単な話ではないですが、彼のように自主的に動きづつけ、壁を登り続ける人が増えることが日本サッカーの発展に必ず繋がると信じています!

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