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18歳のイギリス長期コーチ留学~プロコーチから学んだこと~

今回は、高校卒業後、18歳でイギリスにコーチ留学に来たコウキ君が、現地のクラブチームでの指導を通して学んだことを記事にしてもらいました。

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はじめまして、私は、2019年4月からコーチ留学でイギリスに来ているコウキです。

私がコーチをするFootball Samurai Academyは現在U6からU16までのカテゴリーがあります。
私は、U8の監督としてリーグを戦いながら、U14のアシスタントコーチを監督であるSimon(サイモン)さんのもと担当しています。
今回は、そのSimonさんのアシスタントを通して、私が感じたことについてまとめてみました。

Simonさんは、選手としてはマンチェスターユナイテッドアカデミーに所属し、あのベッカム選手と一緒にプレーをしていた経歴を持ちます。
また、指導者としてはUEFA Bライセンスを保有し(UEFA A取得中)、これまでアーセナル等のプロクラブで育成年代の指導経験があります。現在もアーセナルで指導を続けています。

私が一番初めにSimonさんから教えてもらったのは、「コーチング時の立ち位置」です。
日差しの強い日の練習でいつも通りにコーチングをし終わった時に、
「太陽が自分の背後にあるとコーチング中に選手たちがまぶしくて集中できないよ」
といったことを教えてもらいました。自分にとってこの指摘は新鮮で、細かいことではあるけれど非常に大事なことだなと感じました。

Simonさんのトレーニングは常に合理的です。
選手にとって分かりやすく明確なトレーニングテーマを設定し、それに適したセットアップをします。
例えば、シーズンの序盤に、とある試合でU14は大敗してしまいました。試合後にSimonさんは「全体的に強度が低かった。ボールに対してプレッシャーに行っている選手が4人しかいなかった。」と課題を挙げていました。そして、その次の練習ではプレッシャーとネガティブトランジションをテーマにしたトレーニングでした。

ネガティブトランジションのトレーニング(7vs5)

[ルール]
小さいボックスで3vs1からスタート。青がボールを奪った瞬間から外側にいる4人の青の選手が加わり、広いコートで5vs3のポゼッション。
更に、赤がボールを奪い返したら大外の4人の赤の選手が加わり、さらに広いコートで7vs5のポゼッション。
7vs5でボールが外に出たりパスが5本つながったら終了。3vs1からやり直す。

[キーファクター]
・奪われた瞬間の切り替え(近い選手がボールを即座に奪いに行く)
・ボールホルダーとディフェンダー距離
・カバーリング、バランスをとる選手の距離感

[オプション]
・ゴールをセットし、7vs5でパスを5本回したらシュートにする

私の感じるSimonさんから学んだ大事なことが3つあります。

1つ目は、選手たちへの問いかけの多さと質です。
答えを知っている人からすれば質問することなんて時間の無駄のように感じますが、育成年代の選手たちが「自分たちで答えを考え、そこにたどり着くこと」が本当の意味で理解するということで最も大事なのです。そのためにも選手たちを導くような「質問力」が選手を育てるのだなと思います。

2つ目が知識に裏付けられた細部にわたるコーチングです。
例えば、具体的な分かりやすい基準を選手たちに与えます。「プレッシャーをかけても追い込めていない状況が6秒続いたら、自分のポジションに戻ってディフェンスの形を整える」などです。もちろんこれには正しい知識と選手たちにどんなサッカーをしてほしいかというビジョンが必要だと思います。
さらに言うと、FAコーチングライセンスレベル2の講習会では「目の見えない人や耳の聞こえない人がいたとしても全員に自分の伝えたいことが理解できるようにコーチングできるようにしなさい」と教えられました。自分も意識してはいますが、いまだに雑になってしまうことが多々あります。


トレーニングのプラン

3つ目は人間性です。
どれだけ正しいことや素晴らしいことを言っても、信頼されていなかったり、発言が曖昧なコーチに対して子供たちは聞く耳を持つでしょうか。
選手たちに媚を売る必要は全くありませんが、選手から好かれるということは非常に大事なことだとSimonさんのアシスタントを半年間務めて感じました。

今はインターネットやSNSを使って、日本国内や海外のトップレベルのトレーニングメニューを知識として得ることのできる時代です。しかし、高い能力と豊かな経験を持った指導者と同じ現場に立って学ぶ機会は日本ではなかなか無いと思います。
ですが、FAコーチングライセンス講習会のチューター(先生)とさらにSimonさんのような複数の素晴らしい指導者から学ぶことがここではできます。なんといってもSimonさんに直接質問ができるというのは非常に大きなチャンスになります。
ネイティブばかりのFAコーチングライセンス講習会で質問をするのは勇気が必要ですが、Simonさんは私が聞いたことに対して丁寧に答えてくれます。(見た目はちょっと怖いですが、何でも親身になって答えてくれる優しい人です)

このように、私がSimonさんのトレーニングや試合でのコーチングや振舞いを見て感じ、学んだことを簡単にまとめて書かせていただきました。コーチ経験の全くなかった私ですが、Simonさんからコーチングについて学んだことを、自分のトレーニングにも生かしながら成長していきたいと思います。

指導者留学を考え中の皆さん日本では得ることのできない機会と経験を得てみませんか?

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本サイトFootball@UKは、イギリスサッカー留学専門(選手、コーチ資格、語学留学、大学進学)の現地サポートをロンドンより10年以上に渡って行っています。

イギリス海外留学に関するお問い合わせなどは、下記リンクよりお問い合わせくださいませ!

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海外サッカー仲介人インタビュー企画!

FOOTBALL AT UKのスタッフでありヨーロッパでサッカー選手・コーチの仲介人として活躍する宮原継享への質問を募集します!

「仲介人って実際は何をするの?」
「仲介人と代理人の違いって何?」
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などなど。
海外に活動の拠点を置く、数少ない日本人の仲介人に質問できるチャンスです!
素朴な疑問から、きわどい質問まで大募集!

質問はこちらのサイト(Peing)からお願いします!

募集期間は2020年1月末日まで。2月にインタビューを実施し、こちらのサイトに掲載予定です。

たくさんの質問お待ちしています!!

宮原継亨

岡山県出身、ロンドン在住。
JAPAN AT UK LIMITEDにスポーツ事業部門長として参画、同時にジュニアフットボールチーム「Football Samurai Academy」を設立、同チームの監督を勤める。自身もフットボール選手として大学在学中に、中国四国選抜代表、総理大臣杯3位。2006年よりロンドンでジュニアのコーチングを開始し、2008年からチェルシーFCと共同でフットボールプログラムを運営した経歴を持つ。2013年にFIFA公認エージェント資格を取得。

2016年夏オランダ1部ヘーレンフェーンに移籍した小林祐希を筆頭に、2017年夏には森岡亮太のベルギー1部ワースラント=ベフェレンにクラブ史上最高額の移籍を成功させる。
他にも、モンテネグロ1部からポーランド1部、ブルガリア1部に移籍した加藤恒平、ニュージーランド1部オークランド・シティFCへ移籍した松本光平、日本出身でフィリピン代表という異色の経歴を持つ佐藤大介のルーマニアリーグ移籍など、様々なタイプの移籍に携わる。

2003年 高知大学卒業
2005年 ロンドン大学バークベック校修士課程修了

【イギリス長期サッカー選手留学】18歳のイギリス留学体験記①

はじめまして、僕は2019年9月から11か月間の選手留学プログラムでロンドンサムライローバーズに参加しているタクです。
私たちのチームは、10代から30代の日本人と外国人がプレーする日系のサッカーチームです。

基本的な活動は、平日2回の練習と土曜にAチームのリーグ戦となっています。もし土曜日の試合に出られなかった場合は、日曜日のBチームのリーグ戦に参加できるので、試合のプレー時間は毎週確保されています。

練習では、主にポゼッションや試合形式の練習が中心で、自然と外国人選手たちとコミュニケーションを取ることが必要になってきます。
チームに合流してすぐの頃は、なかなか意思疎通ができませんでしたが、みんなフレンドリーで僕でも分かるような簡単な単語などを使ってくれるので、すぐにチームに溶け込むことができました!
選手やコーチの声がひっきりなしに飛び交っており、球際では激しいプレーが当たり前で、これぞイングランドといった感じです。常に実戦に近い形で練習をすることができ、とても良い雰囲気の中で練習をしています。

そんな僕たちサムライローバーズはイングランドの11部で戦っています。渡英する前は、「11部?レベル高くないんだろうな」と勝手な想像を膨らませていました。
ですが、いざ試合が始まってみると、マッチアップする相手選手は、みんな身体が大きく、強く、足も速く、とてもレベルが高いことに驚かされました。僕自身、個の能力の部分で劣ってるものが多くあるなとすごく痛感されました。

しばらく、そのような環境の中でプレーを続けることによって、身体の使い方や自分がチームの中でどのように長所を活かすのか考えるようになり、少しずつですが成長を感じることも多くなってきました。
サッカーをする環境に関しても、全てのグラウンドが天然芝か人工芝でチェンジングルームやクラブハウスの設備などもほとんどの試合会場で利用できます。
試合後には簡単な食事が必ず用意されおり、とても良い環境の中で充実したサッカー生活を送っています。

こういった設備やサービス面は日本と大きく異なることの1つだと思いました。

まだシーズンの折り返し地点ですが、現在、リーグで首位争いをしています。目標はもちろん優勝し10部に昇格することです。10部に昇格すれば、FAカップに出場できる可能性があるそうです!
また、個人としても、もっと能力を高めて、よりカテゴリーが上のリーグでも戦えるような選手になれるよう、頑張っていきたいと思います!

今回はサッカーに関してレポートしましたが、次回はサッカー以外の生活面に関してレポートしたいと思います!!

FA level1 in Talent Identificationを受講してみた!

皆さんは、イングランドのプロクラブで、スカウトとして働くためには資格が必要であるとご存知でしょうか?

イングランドサッカー協会(FA)では、コーチングライセンスだけではなく、様々なライセンス講習会を開催しています。その中の一つにTalent Identification(以下、Talent ID)というスカウティングに特化したコースがあり、プレミアリーグをはじめとしたプロリーグのチームでスカウトとして活動するためにはこのライセンスが必須となります。

Talent IDはlevel 1からlevel 5までの5段階となっており、level 1はオンライン上で誰でも受講することができるようになっています。もちろん、日本国内からでも受講可能です。

今回は、実際にlevel 1を受講した私が、その内容に関して紹介します!

 

まず、このコースを受講するためには、The FA(イングランドサッカー協会)のサイト(http://www.thefa.com/)のホームページでアカウントを作成し、FANナンバーを取得する必要があります。FANナンバーさえ取得すれば、すべてオンラインでの受講となるため、日本からでもlevel 1のライセンスが取得できてしまいます!

 

Talent ID level 1は大きく分けて6つの項目に分かれております。

Module 1  スカウトの役割と責任。

Module 2  スカウティングの方法とルール

Module 3  スカウティングの手順

Module 4  4 corner modelとスカウティング

Module 5  様々な種類の年齢

Module 6  試合で考えること+まとめ

ここからは、私がこのコースを通して特に印象に残った点をご紹介します。

スカウトとしての自覚を持ち、行動する心構え

スカウティングというと最初に思い浮かぶのは、「どのように選手の能力を見抜くのか」などかと思いますが、それと同時にスカウトの心構えや振る舞い方に関しても学習します。

例えば、特定の選手のプレーを見学しに試合に訪れた際、まずはホームチームの関係者に自分の所属等のプロフィールを提示することや、保護者に「誰を見に来たのか」聞かれた時の対応の仕方なども学ぶことができます。

スカウトされるチームや選手のこともリスペクトすることがスカウトとして欠かせない要素になります。

スカウティングのルール

実は、FAが選手のスカウティングに関するルールを細かく定めています。

Level 1では初歩的なルールをいくつか学ぶだけにとどまりましたが、今後スカウトとして活動するためにはこのルールを熟知していなければなりません。ルール違反をした際は、自分のみならず、所属するクラブにも処罰が適用されることがあるそうです。

コーチングについて

このコースは、将来スカウトとして活動したい人のみならず、多くのコーチたちが受講をしているそうです。そういった状況を踏まえ、Module 6では、どのように子どもたちを指導すべきなのかを、スカウティングに絡めながら学習することになります。

具体的には、理想的にはすべての選手が試合に出場して自分の能力を伸ばすことですが、実際には選手の能力差などの理由から試合時間を均等に確保できないこともあります。そのようなことを考慮しながら、スカウトは選手を観察しなければいけません。

ここまで、非常に大枠ですが、Talent ID level 1について紹介させていただきました。すべての内容を完了するのに約2時間ほどかかりました。

日本サッカー協会では、スカウト専用のコースはまだ設置されていないので、将来スカウトになりたい人にとっては、サッカーの本場イングランドでスカウティングについて学ぶことができる貴重な場です。

また、level 2以降はより本格的な内容となるようですので、将来育成年代のスタッフや分析に興味のある方にも打って付けのコースです!

『カレン・ロバートが行く!英国スタジアム紀行〜Barnet FC編〜』

「日本国内にJ3の基準を満たすスタジアムをつくりたいんだよね」
現在イギリス7部レザーヘッドでプレーしているボビさんこと、カレン・ロバートさんのそんな言葉から始まったこの企画!

J3基準を満たすサッカースタジアムづくりを目指し、5000〜10000人規模のスタジアムを回ります。

具体的なテーマはといいますと、、、

  • スタジアムって試合のない日はどのように使われている?
  • クラブが保有しているのであれば、どうやって収入を得ているの?
  • スタジアムの中身みせてください!
  • クラブの特徴というか、こだわりを見つける
               

そして記念すべき第1回目は英国ロンドン北西部にあるBarnet FCのホーム、The Hive Stadiumにお邪魔し、Club Secretaryのジョン マイヤー氏にお話を伺いました!

登場人物

カレンロバート: 
現在英国7部レザーヘッド所属、千葉県1部 ローヴァーズFC 代表
http://rovers.co.jp/             

中村モネ:記者
サウサンプトン大学でフットボール学専攻中
http://footballatuk.com/archives/2223

キヨ:撮影者(ワーホリ中)
プレミアリーグのサッカー観戦チケットのことならばお任せください。
https://ticket-on-demand.com/

バーネットFCとは?

現在バーネットFCはイングランド5部相当のNational Leagueに所属しています。その本拠地であるThe Hive Stadiumはおよそ6200人入場可能のスタジアムで、最寄り駅のCanons Parkから入場ゲートまでは徒歩10分、敷地内だったら5分と駅チカ。

完成は2013年と比較的新しく、もともとは練習場として建設予定だったものを途中で試合用スタジアムにシフトしたので各スタンドの雰囲気が全然違います。

新しく改修されたスタンドは2016年に完成しました。障害者専用席は現在84席あり、VIPの観戦スペースは最近できたばかりなのだとか。

Club Secretaryの かっこいいジョンさん

1 試合のない日はどのように使われている?

 まず気になる試合のない日の使い方を聞いてみると、主にピッチや施設のレンタル、撮影などに使われているそうです。

主な施設の使い道は、Banquet Roomと呼ばれる屋内イベント会場を結婚式や誕生日パーティ、会議のために貸切でレンタルしています。

撮影はプロモーション映像などの撮影が多いらしく、マンチェスター・シティのガブリエル・ジェズス選手やトッテナムのソン・フンミン選手も使用されたとか。



ということは、これらがクラブとしての主な収入源なのでしょうか?

少しつっこんで聞いてみると、1番大きな収入源はSky TVからの放映権に関する収益でした。イングランドではプレミアリーグだけでなく2部から5部の試合も放送されているので納得です。

もう1つはアカデミーからの収入です。バーネットではU8からU18のアカデミーを設けており各130人ほどの選手が在籍しているそうです。そこに対するEFLやFAからの助成金(アカデミーのランク分けがされています)が大きいと言います。

スタジアム外には、練習場(人工芝2面)が10面以上存在しています。

2 スタジアムはどうやって収入を得ているの?

しかしその他の収入は全てスタジアム内で賄われています。

ピッチのレンタルの他にも施設全体を合宿場として貸したりもしているそうで、ドイツやスペイン代表などの強豪も利用したことがあるそうです。

クラブハウスの2階にはジムがあり、選手の他にも600人の地元の方々がメンバーとなり利用しているそうです。

スタジアムの中身みせてください!

そしてこのスタジアムのユニークポイントは、メディカルセンターがスタジアム内に設置されているところです。

マンチェスターユナイテッドは練習場にメディカルセンターを設けていますが、スタジアム内にあるのはバーネットだけだそうです。

チケットの値段も大人£10、子供は£1と低く設定してあり、家族連れで来やすいスタジアムを目指して他よりも少し安くしてあるところがユニークポイントだとおっしゃっていました。

4 クラブの特徴は?


今回The Hive Stadiumを訪問して感じたのは、スタジアム内にジムやカフェがあるからか、クラブの人だけでなく地元の人々も自由に出入りしていて地域の憩いの場にもなっているのかな、ということでした。

初めてのスタジアム訪問、初回からなかなか独特な雰囲気を味わうことができました。

次はどこのスタジアムにお邪魔できるでしょうか?

また違った雰囲気を感じることができるのが楽しみです。


乞うご期待!