英国でコーチング資格取得、何を学べるのか? Vol.1

イギリスではどのような指導スタイルでコーチング講習が行われているのでしょうか?たとえばフットボールのABC’sトレーニングと言えば、何を想像しますか? 英国でプロコーチ資格の取得を目指す大場ヤスさんにFA Youth module(U-5〜U-11の指導法のライセンス講習会)について語ってもらいまし
た。

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こんにちは!

イギリスで、FAコーチングライセンスを取得中のコーチの大場ヤスです。今回は、FA主催の講習会「FA Youth Award-Module1」に参加したときのお話をしたいと思います。

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講習会での風景 1

褒めて伸ばすことの重要性”

この講習会は、U-5〜U11の選手に対する指導法に特化した勉強をする場で、4日間あるうちの初日のメインテーマは、「イギリス式指導法」と「ABC’s Training」でした。

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講習会での風景 2

イギリスの指導において一番大切にしていることは、”褒めて伸ばすこと”

 そして・・・

“選手一人一人の特徴を把握してそれぞれの選手にあった指導を行い、能力を最大限に引き出すお手伝いをすることがコーチングの役割であること。選手が一番であること”をきっぱりと伝えてくれました。すばらしいです。

”ABC’sTraining?

その次に話題となった「ABC’sTraining」について。
ABC’sとは
Agility, (敏捷性)
Balance, (バランス)
Coordination, (コーディネーション)
Speed(スピード)の頭文字をとったものです。

サッカーはボールだけ上手に蹴れたらいいわけではありません。身体を上手に動かす、バランス感覚を身につけることもとても大事です。そのための実際のトレーニングも教えてもらいました。
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実技指導の場面1

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実技指導の場面2


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実技指導の場面3


なぜ若年層の講習をコーチング資格者が受講するのか?

今回の受講生は全23名(日本人1名)なのですが、その中ですでにFAコーチライセンスLevel2を持っている人は8名、Level3を持っている人も2名いました。U-11までの若年層に縛った講習ですが、多くの資格勇者が勉強に来ており、この講習の重要性が分かります。

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その秘訣は2日目のメインテーマに隠れていたのかもしれません。2日目は、「How players learn」と「Motivation」を取り上げました。

子供の成長過程で最も大事なのはU-11。この時期に精神的にも肉体的にも子供は大きく成長するそうです。選手として成長する上で全体の約80%をU-11で吸収し、それ以降はわずか約20%とデータを使って説明。いかにU-11の時期が大切かをといてくれました。 日本でも「ゴールデンエイジ」という言葉がありますがそれと同じような考えであると思います。

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実際の指導現場でいかす (右:ヤスコーチ)

「VAKの重要性とは」
そしてその大切な時期に選手は、具体的にどのように物事を吸収していくのか。ここでは「VAK」という言葉を学びました。

Visual,
Auditory,
Kinaesthetic

の頭文字を取ったもので、選手は「視覚」「聴覚」「運動感覚」によって新しいことを吸収していき、特にその中でも「視覚」にうったえることが大切だと学びました。コーチのデモンストレーション、実際のサッカーの試合をたくさん観ること、これも視覚のトレーニングのひとつですね。

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さらに「Motivation」。練習を効率よく効果的に行うには選手のモチベーションがとても大事です。若年層では特に維持することが大事になってきます。

そのための手段としては、コーチの声がけ、楽しいセッション、成功体験など思いつきますが、それ以外に「選手のニーズに合った指導」が大事なのだと学びました。

なぜサッカーをやっているのか、今後どのような選手になりたいのか、目指すべき場所はどこなのか。選手一人一人で目的は違います。それをいかに正確に把握し、セッションに還元できるかが大事になる!それがモチベーションの向上・維持に反映する!

この考え方は本当に勉強になりました。

スクリーンショット 2014-09-11 18.21.13FAのホームページの動画映像での呼びかけ

本当に学ぶ事の多い講習会です。
次回は、講習の後半戦をお伝えしてきます!!


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著者プロフィール

大場康弘
大場康弘
ロンドンにてプロコーチンングライセンスを目指している。FA Level 2クラブコーチ・ライセンスを取得済み。現役時代は、浦和レッズユースのキャプテンとして日本クラブユース選手権準優勝2回を経験。英国と日本の育成環境の違い、指導者講習やトレーニング方法をレポートしていきます。