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フットボールは文化だ。
“Football explains the world.”
「フットボールは世界を説明する。」サイモン・クーパー
この言葉にピンと来た人なら、きっと“フットボール・カルチャー”という世界にも魅力を感じるはずだ。
フットボールは単なるスポーツではなく、都市の風景、ファッション、音楽、社会問題、そして人々の生き方と密接に関わっている。言い換えれば、“体育”や“部活動”といった一定の枠組みで完結するのではなく、文化の一部として生活の中に溶け込んでいるのだ。
あなたにとって、フットボールとはどのような存在だろうか。

なぜ、今“フットボールカルチャー”なのか?
フットボールは、単にプレーをしたり、試合を見るスポーツではなくなりつつある。
「何を着て観戦に行くか」「どんな声援を送るか」「どんな歴史と歩んできたか」といった周辺文化すべてを含めた“総合体験”になりつつある。
グローバル化する社会の中で、フットボールはその土地の社会を色濃く反映し、同時に世界情勢を映し出す鏡のような存在にもなっている。
近代スポーツはイギリスで誕生した。気晴らしや遊びといった要素から発展し、勝敗という競争原理のなかで人気を拡大してきたが、現代ではそれとは異なる価値観——スポーツをオルタナティブな視点から捉える人々も増えてきた。

とりわけ、SNSやサブカル文化に敏感な若い世代にとって、スタジアムだけでなく、カフェ、ギャラリー、ストリートに広がるフットボールの世界は魅力的だ。カルチャー系雑誌は、そうした視点からフットボールを再定義してくれる存在でもある。
そんな「ピッチの外のフットボール」を掘り下げるのが、カルチャー系フットボール雑誌たちだ。今回、国内外で注目されている雑誌・本を中心に、フットボールと社会をつなぐ視点を紹介していく。
SHUKYU magazine

「SHUKYU」は、日本発のインディペンデント・フットボールマガジン。2015年の創刊以来、「フットボールと社会」をつなぐ独自の切り口で注目を集めている。
「フットボールとジェンダー」「フットボールと教育」「地方クラブと地域社会」といったテーマを取り上げ、試合結果やスター選手にとどまらず、フットボールの本質を社会的な視点から掘り下げている。
誌面では、アート写真のようなビジュアルと、ジャーナリスティックな読み応えのある記事が共存しており、フットボールを通じて社会を考える“教養メディア”ともいえる存在だ。
最近ではJリーグとのタイアップで衣類や雑貨も展開。フットボール好きのみならず、広く文化に関心のある層からも支持を集めている。
海外留学やフットボールを学びたいと考える人にとっても、思考を深めるうえでおすすめのメディアである。
MUNDIAL

ロンドン発の「MUNDIAL」は、“世界で最もおしゃれなフットボール雑誌”といっても過言ではない。フットボールの試合だけでなく、ユニフォーム、音楽、パブ、旅、サポーター文化といった“ライフスタイル”にフォーカスしている。
イングランドの草フットボールから、メキシコのアウェイ遠征記まで幅広く取り上げる。グラフィックや写真のセンスも抜群で、フットボールを“日常の中で楽しむもの”として再発見できる雑誌だ。
ほとんどが英語で記載されている(SNS日本語アカウントもあり)ため、初めて英語を学ぶという方にはハードルが高いものの、視覚的にも楽しめるため、英語学習の一つとしてもおすすめだ。ポッドキャストも配信されているので、耳からもカルチャーを体験できる。
オフサイドはなぜ反則か
オフサイドとは何か。
感覚的には理解している人が多いかもしれないが、そもそもなぜこのルールが存在するのかを掘り下げたのがこの一冊である。
著者の中村敏雄氏は、日本におけるスポーツ文化論の先駆者であり、教育者としても知られる人物。
「オフサイド」というルールは、単なる技術的な制限ではなく、著者はそれを「自己の利益のために他者を欺く行為を抑制する」という、社会全体に通底する規範の象徴と捉える。社会に通底する道徳や規範を映し出しているというわけだ。
少し難解に感じられるかもしれないが、フットボールを本質的・思想的に捉えたい方や、留学を通してフットボールを学び直そうとしている人にとっては、必読の一冊である。
サッカーと英語(日本)
「1-0」のスコアを、イギリスでは何と言うのかご存知だろうか?
多くの人が「ワン・ゼロ」と読むかもしれない(実際そのように言うこともある)が、本場イギリスでは「ワン・ニル(1-nil)」という表現が一般的だ。もちろん、日本でいう“サッカー”もイギリスでは表現が変わる。
そんな“フットボールならでは”の英語表現を学べるのが本書の魅力である。
英語に触れたばかりの方でも、自分の興味のあるテーマであれば学習を続けやすいもの。
フットボール用語を通して英語に親しみたいという、ちょっと欲張りな学習者にぴったりの一冊である。
フットボールの知識を深めながら、語学力も同時に鍛えたい人におすすめだ。
フットボールを“感じる”ための雑誌・本たち
“フットボールは世界を説明する”という言葉のとおり、
ピッチの上の90分だけでなく、その周囲に広がる文化や物語に目を向けると、フットボールはより奥深く、豊かな存在に変わる。
ここで紹介した雑誌や本を手に取ることで、あなたのなかの「フットボール」という言葉が、少し違った意味を帯びてくるかもしれない。
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