「想定外に慣れる」ートビタテでロンドンへ。サッカーの“本場”で学んだ2ヶ月(盛山くんインタビュー)

—イギリス文化をもっと知りたい。そして自分の強みであるサッカーの“ルーツ”に触れたい。—

そんな思いを胸に、盛山くんはトビタテ!留学JAPANの制度を利用し、2ヶ月間ロンドンに滞在した。日中は語学学校で“生きた英語”を学び、午後からはサッカーアカデミーで子どもたちと触れ合いながらコーチングを実践。休日にはスタジアムでプレミアリーグを体感し、フラムやブライトンの熱狂を肌で感じる日々。文化の違いに戸惑いながらも、自ら声をかけ、行動し、挑戦を重ねる中で——彼は何を得て、どう成長したのか。

出発前の目標と、渡英後のロンドン生活について

Q. トビタテ!留学JAPANでなぜイギリス・ロンドンを選択したのか?

「英語圏の中でも、サッカーが軸にある国を選びました。イングランドはインテンシティが高く、歴史やシステムが受け継がれている—そういうイメージがずっとありました」。迷いはなかったという。

Q. トビタテ!留学JAPANを利用して渡英前に目的としていたことは?

自分が経験してきたサッカーをサッカー発祥の地であるイギリスで生活しながら体験すること。それ以外では、英語力の上達。さらに、日本文化をローカルの人たちに知ってもらうイベントを企画し、日本の美味しいお米をローカルの人たちに知ってもらうためのイベントを実施しました。シンプルな塩むすびと、きな粉をまぶしたもち米を食べてもらいました。ローカルの方と話した中で、「クスクス」など他の国にも、“似た食”の存在を知れて面白かったなと。食から文化をつなげる良い機会になったのではないかと思います。

Q. トビタテ!留学JAPANでサッカー以外に取り組んだことは?

日本の美味しいお米をローカルの人たちに知ってもらうためのイベントを実施しました。シンプルな塩むすびと、きな粉をまぶしたもち米を食べてもらいました。ローカルの方と話した中で、「クスクス」など他の国にも、“似た食”の存在を知れて面白かったなと。食から文化をつなげる良い機会になったのではないかと思います。

Q. ロンドン生活で驚いた“ロンドン流の当たり前”
 A. ホームステイだったのですが、朝食はパンだけ、バスタブがなく基本シャワーのみ。日本の生活スタイルとは大きく違いましたね。特に疲れの取り方は日本と全然違うと感じました。

イギリスではこのようなスタイルが当たり前であるため、日本の文化と大きく違う点に苦労したはず。

Q. 困った場面と乗り越え方
 A. あまり大きな問題はありませんでしたね…。大きなクモが出た時はホストマザーに直接相談しました(笑)。最初英語に不安があっても、自分から話しかけて挑戦することを続けましたね。

Q. 渡英後、英語の伸びは渡英前とどう変化した?
 A. いま(帰国直前)は10点満点中“7”ですかね…。特にホストマザーとの会話でリスニングが一気に楽になりました。実感としてブリティッシュ英語に慣れたのも大きいですね。好きなのはアメリカンアクセントだけど、帰国後はブリティッシュで挑戦してみたい気持ちもあります(いとこがアメリカンなので、あえて逆を試したいですね)。

サッカー観戦で感じた本場の空気感

Q. 語学学校が休みの日にスタジアム観戦に行ったとのことだが、一番心に残った試合はどんな試合?
 A. フラム vs ブリストル(カラバオカップ)が心に残っています。目の前で感じた“圧”がすごかったです。インテンシティの高さに圧倒されましたね。

Q. サッカー観戦における日本との違いはどんなことがあった?
 A. 他に観戦しに行ったブライトン vs マンチェスター・シティでは、サポーター同士の“本気の煽り合い”を体感しました。現地サポーターの多くはいわゆる「にわかファン」が少なく、自分たちのクラブが一番だと本気で信じている空気をひしひしと感じましたね。チケットは公式で購入するのは難しかったため、リセールで購入しました。意外と難しくなかったです(関連記事はこちらから)。

 ブライトンにて迫力あるプレーを間近で観戦

語学学校について
Q. 1日のタイムテーブルは?
 A. 7時起床し、8時ごろ語学学校へ向かい、昼頃終了。サムライフットボールアカデミーの練習やレッスンがあれば19時過ぎに帰宅していました。また、サムライフットボールアカデミーが実施していたサマーキャンプに参加した際は語学学校の代わりにアカデミーに通う流れです。

Q. 語学学校で印象に残った授業は?
 A. マイケル先生の授業が印象的でしたね。教科書に縛られすぎず、“生きた英語”で進む授業をしてくれました。会話の量がとにかく多かったので、とても勉強になりました。

語学学校で世界中から来た学生たちと

コーチングの学び(現場/サムライ・アカデミー)
Q. 日本に持ち帰りたいドリルは?
 A. ロンド(Rondo)を一定回数こなした直後にプレッシングへ移行するメニューが印象に残っています。認知→判断→アクションの速さと強度が同時に求められていたので、遊び感覚、だけど真面目に取り組めるいい練習だと思いましたね。

Q. “良いコーチ”の共通点は?
 A. 仮説を立て、道筋を描き、目的と必要要素を一つずつ深めることかなと思います。問いを立て、突き詰めるプロセスが当たり前にある姿は共通してたかなと思います。

ロンドンを訪れた日本サッカー界のレジェンド・岡崎慎司さんとサムライメンバー

Q. フットボールサムライアカデミーの現場で感じたこと
 A. 練習終わりにクラブハウスの近くにあるコミュニティスペースで、スタッフ・保護者・子どもたちがご飯を食べながら“わいわい”できる空気が良かった。選手とコーチの距離感がちょうどいいなあと思いました。日本だと線引きが強くトップダウンになりがちで、やることについて“簡単に聞けない”雰囲気があった気がします。こちらはフラットな目線だからこそ、互いに向き合える関係性が築きやすいなと感じました。

Q. 子どもへの声がけのコツ
 A. とにかく“短く・分かりやすく”を意識しました。「Pressure」「Shape」など、子どもにも伝わる単語を選ぼうとしました。お気に入りは“Lovely”。“Nice”よりも、行為だけじゃなく“その子自身”を褒められる感じが好きでした。

Q. 伝わらなかった時のリカバリー
 A. 日本語でも難しい内容は難しいですよね。だからこそ“質問形式”で理解を引き出す。言い切るだけでなく、対話で一歩ずつ聞き出せるように意識しました。

Q. 学んだ一番のポイント
 A. 指導者の質で選手の内容は大きく変わるなあと。当たり前だけど、現場に出てみて改めて痛感しました。

サムライフットボールアカデミーで担当したメンバーたちと

イギリスでの経験とこれからについて

Q. 渡航前と後の心境の変化と、帰国前の達成度は?
 A. 渡航してからは自分の“行動力”を上げること意識しました。渡航前と後では大きく心境が変わったわけではないけれど、「親に甘えていたな」「やればなんとかなる」と実感しました。明らかに自分で動く量は確実に増えたなあと感じます。

Q. 帰国後にやりたいことは?
 A. 日本の子どもたちにコーチングしてみたいですね。今回のイギリスで得たエッセンスを現場で生かしてみたいなあと思っています。

Q. 次の挑戦へのつなぎ方
 A. “探求”を真に学べたなと思います。問いを立てて、逆算し、深掘りする姿勢はコーチング以外の分野にも広げたいと思います。

Q.これから渡英を希望する人たちへ、トビタテ応募のコツはある?

はじめから全部自分で考えないほうがいいです(笑)。

完璧は無理だから、まず自分から動いて知っている人に聞くことですかね。人によって視点は違うからこそ、話す相手を変えると考え方も変わる。

また、色んなことを小さく試すことですかね。思い描いたことをまず行動→修正のサイクルを早く回すとか。

盛山くん自身の核にある目標を細かく設定する周到さ、そして他人の意見を聞いて自分の考えに結びつける許容さが、トビタテに受かった秘訣かもしれない。

Q. 最後に、この2ヶ月を簡潔に表現するなら?

想定外に慣れる作業・期間ですかね。ロンドンでの2ヶ月は、まさにその連続でした。

文化の違いや言葉の壁にぶつかりながらも、自ら行動し挑戦を続けた日々。
彼が最後に残した言葉が、2ヶ月の経験を象徴していた。

Terry

旅とスポーツと酒好き。大学院でスポーツ社会学を専攻後、高校教員を経験。自身の好奇心を頼りに、未知との遭遇をご紹介します。趣味はウルトラライトハイキング。2024年はアルプス山脈最高峰モンブランの周りを結ぶTMB(スイス・フランス・イタリア)約170km、累積標高差10,000mをテント泊のみで完歩。

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