ロンドン在住でFA公認の代理人の資格をもつ本マガジンライターの宮原氏が、移籍期限締め切り日のプレミアリーグでのチーム、選手、代理人たちの動きを語ってくれています。
プレミアリーグは9月1日が移籍最終日でした。
移籍で成功するためには、とにかく運とタイミングが重要です。もちろん、実力がずば抜けていればそんなものあまり必要がないのですが。。
今夏、私と契約している選手は誰も移籍はしませんでしたが、9月2日からアフガニスタン代表のキャプテンがロンドンにやってきており、その選手にイギリスのチームの練習に参加してもらい、うまく行けば冬までそこでプレーし、その後リーグ1、2に移籍させる事が出来ればとおもっています。
プレミアリーグ史上最高額ディ・マリア、ファルカオのローン移籍
2週間ほど前から、マンチェスターUnitedのCEOエドと監督ファンハールに向けてメディアからかなりバッシングがあっています。このままの戦い方でいくと昨年と同じようなシーズンを繰り返すことになるのではないかと話題になっています。
8月末の移籍期間の終了が差し迫るなか、プレミアリーグ史上最高額ディ・マリア、ファルカオのローン移籍、ウェルベック選手、そして香川選手の移籍には驚かされました。
Jリーグでは移籍期間最終日にこれだけ動く事はありませんが、ヨーロッパの移籍市場では最後の最後まで、駆け引きをして料金をつり上げたりもしくは、下げさせたりするのでは珍しくありません。
移籍期限に向けたそれぞれの戦略
戦略的に移籍交渉を最終日に持ってくるパターンと主力選手の怪我などで移籍市場に選手を求めざるを得ないパターンがあると思います。
例えば、アーセナルはジルーが怪我をして、Leicester と引き分けたために、そのゲーム中にファンが「ストライカーが必要だ!!契約!!」とチャント(応援)されました。それに対して、ベンゲル監督は、負けるたびに新しい選手を買うことが答えであるだろうか? と反論していましたが、そのプレッシャーを感じていたのでしょう。最終日に、ウェルベックを獲得しました。
フットボールビジネスのとどまらない巨額のマネーゲームはなんと今年の8月15日の時点で既に過去最高の£835m(1460億円)に到達しました。去年の夏のマーケットより£75mも多く選手にプレミアリーグのチームは使っていることになります。今年の夏、最も激しい動きをしたチームはウェストハムの11人とりました。
夏の移籍マーケットがあいてすぐに動き出すことの良い点としては、契約してからニュースで頻繁に扱われる選手に関してはシャツがより多く売れること(サンチェスみたいに)、選手が落ち着いて時間をかけてチームになじめることがあげられますが、その反面、市場におけるバリューの比較対象になる選手が無いため高額を提示してしまう可能性もあるようです。9月1日の最終日に移籍した選手は何と34人、そしてこの夏には約250名の選手が移籍していました。そして、冬のトランスファーウィンドウに向けてすでに動き始めています。