世界トップクラブが参加、カタールで行われているAl Kass国際大会
Al Kass国際大会は、アーセナル、レアルマドリー、アトレチコマドリー、PSG、ユヴェントス、ミラン、サンパウロなど世界トップクラスのクラブのU-17世代の12チームが参加し、10日間でタイトルを争っている。
これまでに3度大会が開催されており、歴代優勝チームはPSG、フルミネンセ、アスパイアアカデミーとなっている。2015年、日本からはヴィッセル神戸が挑戦している。
引用:http://internationalcup.alkass.net/
日本のユース年代が海外のトップレベルのアカデミーとフレンドリーマッチではなく、本気で試合がやれる機会はすごく限られてくる。
もっとやったらいいのではないかと思うかもしれないが、日本国内でのリーグ戦や大会との調整などもあるため、2〜3月が海外のトーナメントに参加しやすいようだ。
そんななかカタールで行われている大会は、日本からの参加枠があり、サッカーの現在地をたしかめる事ができる貴重な大会であることは間違いない。
プロ並みのピッチ環境と放映環境
今週2月5日から幕を開けた大会。神戸は、アーセナル、カタールW杯に向けた強化チームである「アスパイアアカデミー」と対戦し、残念ながら2連敗を喫してしまい下位順位決定戦にまわる。
ヴィッセル神戸vsアーセナルのハイライトはこちら
ヴィッセル神戸vsアスパイアアカデミーのハイライトはこちら
ビッグクラブを揃えているだけにあって、環境は申し分ない
大会はプロ並みの環境、情報発信で運営されており、Youtubeでハイライトを視聴可能で、また90分のフルゲームはスポーツチャンネルであるAl Kassのサイトでオンライン視聴可能になっている。
アーセナルvs神戸の90分のフルゲームのリンクはこちら
引用:http://internationalcup.alkass.net/
ピッチ上:日本サッカー全体の課題?
神戸-アーセナルの試合をネットのフルゲームを見てみると、まったく歯が立たないということではない。むしろ、多くの場面で通用しているところもあった。
筆者の友人であるY君(ユース出身、元U-18日本代表)は、この試合を見てFacebook上で次のような感想を綴っていた。少し辛口で上から目線だが、一つの試合の見方だと思って参考にしていただけばと思う。
ヴィッセルの攻撃について
「ヴィッセルの最終ラインからの運びはかなり通用している。具体的にいうと、最終ラインでパス交換を繰り返して数的優位をつくっている。そこで生まれる相手の選手間のギャップ (隙間)をついて、縦パスを前線、中盤もしくは最終ラインの間でバシバシ通していました。そこからのアイディア(スイッチプレー)であったり、サイドの関係性もピカイチ。前線からのコレクティブな守備も相手は嫌がっていたし、アーセナルはプレッシャーかけられたら何も出来なかったすよ。」
ヴィッセルの守備について
「逆にアーセナルはカウンターで一発勝負を決めてた。神戸の1失点目、3失点!!あんな軽い対人プレーしていたら世界で勝てるわけがない。あれでプロになっても、その態度が劇的に変わるわけがない。ゴール前での(体を当て合う)対人は日本に欠けている。日本のユースの教育は素晴らしいと思うけど、本質はなにも変わっちゃいない。みんな絶対この試合見るべきですね。」
彼が言うように、日本サッカーは、いいところというか日本のサッカーっぽい色がだせはじめていると思う。と同時に「甘さ」や「ぬるさ」が垣間見える見えるのも事実。勝負どころってやつかもしれないし、厳しさが足りないと言ったらそれまでかもしれません。
1失点目と3失点目はまさしくそうですし、日本代表vsブラジルで感じる歴然たる差です。
それって僕にも見つかる甘さであったり、ぬるさでもあります。日本の会社や学校でも見られるところだと思います。
「厳しさ」って教わって見つかるものではなくて、厳しい環境を勝ち抜いてきたものだけが身に付くものかもしれません。
日本らしいサッカーを求めることも大切ですが、この厳しさの意味を問い、どのような選手育成が行われていくべきなのか議論は必要そうです。
竹山トモ
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著者プロフィール
- 2009年より在英。イギリスサッカー留学マガジンFOOTBALL@UK編集長。イギリスの大学でスポーツマネージメント学部卒業。ロンドンスポニチ通信員。サッカーダイジェスト執筆など。西ロンドンにてサムライアカデミー運営。